「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」の脚本には問題点がある。
それはストーリーの核となるアステカの金貨の呪いについてだ。
アステカの金貨はその櫃から金貨を持ち出したものに呪いをかける。
呪いに掛かったものは、食べ物は口で灰になり、死ぬことも許されない。
そしてその櫃に金貨を持ち出した各々が血の贖いを行い、すべての金貨を戻さない限り呪いは解けない。
「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」ではこの設定が話の重要な要素となっている。
だが、同時にこの設定は脚本に問題を引き起こしている。
映画では本来ならば血の贖いをするのは金貨を持ち出したブーツストラップ・ビル・ターナーだが、彼は死んだしまったため例外として、その血族であるウィル・ターナーでもOKということになっている。
だが、この例外は成り立たない。なぜなら、金貨を持ち出した時点で呪いに掛かる。タイムラグがないことは、クライマックスでこの呪いを逆に利用したジャックが証明しているため、呪いはすぐに掛かるということだ。
つまり、ウィルに金貨を送るだけの時間があったビル・ターナーも金貨を持ち出したことで呪いに掛かっている。
となると、砲弾に繋がれて海に沈められても彼は死なない。いや死ねない。
息をする必要がないことも、バルボッサのクルーが海底を行進するシーンで証明されている。
というわけで、“金貨を持ち出したものがすでに死んだなら、贖いには家族の血でもOK”という例外は、
金貨を持ち出すと死ななくなるのだから、成り立たない。
そういうものなのだ。と言ってしまえばそれまでなのだが・・・
こんな問題があろうと、映画の面白さはかわらない。